僕が沖縄に暮らし続ける理由 三代達也(車いすトラベラー)<未来へいっぽにほ>


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三代 達也(車いすトラベラー)

 沖縄移住からちょうど1年が経過しました。当初半年で本土に戻るつもりが、気が付いたらこの場所を永住の地にしたいとまで思うようになりました。

 移住する前、沖縄を観光するのが大好きでした。温暖な気候に美しい自然、開放的な雰囲気。車いすを使用している僕の友人も口をそろえて沖縄が好きだと言っています。しかし僕は一度の観光で感じられる沖縄の魅力は2~3割程度で、暮らすことで本物の魅力を知ったと伝えています。

 改めてこの地の魅力を考えた時に、やはり「人との関わり」が一番に挙げられます。なぜここまで人のことを思えるのだろう、自然に助け合えるのだろうと、関東から来た時はカルチャーショックの連続でした。観光地だけではなく、本物の沖縄の魅力を感じられるような旅を、本土にいる友人に味わってほしいと思うようになりました。

 きれいな海を見に行くための旅行も良いけれど、あの人にまた会いに行く旅、来るたびに「おかえり」と言ってもらえるような、沖縄がその人にとって帰る場所になってほしい。そのために自分ができるのは、車いすユーザーなどが普段抱える小さなストレスを最小限に抑えるような調査・発信に努め、かつ教育現場で沖縄の子どもたちへ多様性の視野を広めてもらうべく活動を続けることだ。一人でも多くの人に沖縄の魅力を感じてもらい、今年も来年もここに来るために、もう少しだけ頑張ってみようと思えるような居場所をつくれたらと思っています。

 今回が最終回ということで、これからの抱負も含めて思いを伝えさせていただきました。全7回にわたってコラムを読んでいただき、ありがとうございました。