ヒジキ収穫、軽石で中止 沖縄の収穫量9割 与那原・西原漁協


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2020年4月のヒジキ収穫の様子=与那原町当添の当添海岸

 【与那原・西原】県内でヒジキの収穫量の9割以上を占める与那原・西原町漁業協同組合は26日までに、ヒジキに細かい軽石が混入して取り除くことができず、「責任をもって出荷できるような状況ではない」(当真聡組合長)として今期の収穫を取りやめた。

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 ヒジキは毎年3~5月に収穫時期を迎える。同漁協はこれまでに約1・7トンのヒジキを収穫したが、その中から直径1~5ミリの軽石が見つかった。

 何度も水で洗い流すなど試みたが、軽石は細かく、除去には非常な手間を要する。今期の収穫量は前年度比2倍増の40~50トンを想定していた。売り上げは約2千万円と予想され、経費を差し引いても600万~700万円の利益が出る計算だった。

 小笠原諸島の海底火山噴火の影響による大量の軽石が漂流・漂着している影響で、県内では漁獲量も減っている。

 糸満漁協ではマグロ類を含む鮮魚類・底物類の2021年度漁獲量(速報値)は前年度比約22・0%減の約500トン、売上額は同約4650万円減の約3億2千万円だった。

 漁業関係者によると、軽石は現在も沖縄近海を帯状に連なって漂流しているといい、水産物への影響は続きそうだ。

 (比嘉璃子)


 

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