辺野古調査団、耐震見直し求める声明「レベル2地震動の省略あり得ぬ」


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辺野古新基地の建設現場付近

 政府の地震調査委員会が南西諸島などでマグニチュード(M)8の巨大地震が起き得るとする「長期評価」を公表したことを受け、普天間飛行場の名護市辺野古移設について独自に検証している「沖縄辺野古調査団」(代表・立石雅昭新潟大名誉教授)は1日、新基地建設計画の耐震設計を全面的に見直すよう防衛省に求める声明を発表した。

 防衛省は新基地建設の計画を立てる際、中規模程度の「レベル1」を想定して設計している。県に提出した設計変更の際も同様の設計となっている。これに対して大規模地震は「レベル2」に当たり、国内の主要空港はレベル2を想定して設計されている。

 辺野古調査団の声明は「大規模な重要施設において、レベル2地震動を想定した耐震設計を省略することは、現在の土木工学ではあり得ないことだ」と指摘している。

 辺野古調査団は、これまでも耐震設計の見直しを訴えてきた。今回、政府の地震調査委員会が新たな長期評価で巨大地震の可能性を指摘したことを受け、改めて設計の全面的な見直しを求めた。2日以降、防衛省や県にも声明を送付する。

 政府の地震調査委員会は、南西諸島周辺などでM8程度の巨大地震が発生する可能性があるとの「長期評価」を3月25日に公表した。沖縄・与那国島周辺のM7級は300年以内で90%以上の高確率としている。
 (明真南斗)