マングースの生態調査をAIで 撮影画像の判別を効率化 沖縄セルラーが企画


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新たな取り組みをPRする(左から)沖縄セルラーの冷水晴香氏、菅隆志社長、県自然保護課の島袋直樹推進室長、古田さゆり氏=3月30日、那覇市の沖縄セルラー電話本社

 IoTの技術を活用して沖縄の自然環境を保護する活動に取り組む沖縄セルラー電話(菅隆志社長)は3月30日、那覇市の本社で会見を開き、「おきなわ自然保護プロジェクト」の第2弾を実施すると発表した。新たな取り組みは、県が本島北部地域で実施しているマングースの捕殺試験と生態調査を、AIを活用した自動画像判別システムを用いて効率化、省力化するもの。4月~6月をめどに始動する。

 沖縄県はマングース対策事業として、県道14号周辺に70台のカメラを設置している。現在のシステムは、マングースを含む動態検知をすると自動で撮影し、SDカードに保存。職員が月に一度SDカードを回収し、約2万枚の画像にマングースが写っているか否かを目視で確認している。

 同社が新たに構築したシステムでは、自動撮影された画像をクラウドサーバーで保存し、AIが自動的に判別してフォルダ分けする。画像の仕分けにかかる時間が93・7%削減でき省力化が期待できるほか、目視確認で見逃していた個体を検出できるようになるなど精度向上にもつながる。

 県環境部世界自然遺産推進室の島袋直樹推進室長は「技術力の高い事業者の力を借り、自然保護の課題解決につなげたい」と述べた。

 同社はシステムの転用も可能だとし、今後は希少生物や海洋生物の生態調査、オーバーツーリズム対策への活用も検討する。

(当銘千絵)