日本トランスオーシャン航空(JTA)の執行役員販売部門長を務めていた糸数寛氏(57)が1日付で日本航空(JAL)北陸支店長=石川県金沢市=に就任した。JTA社員がJALの基幹支店長に就くのは初めて。
北陸支店長は、沖縄の約2倍の人口約300万人の石川、富山、福井の3県での営業活動を統括する。JTAが那覇―小松便を1日1往復、JALが小松―羽田便を1日4便(コロナ禍前は6便)運行している。
糸数氏は「北陸は温泉などの観光資源が多く、物産も豊富で魅力的な地域だ。コロナ禍で落ち込んだ東京などの大都市圏、沖縄からのビジネス客、観光誘客を回復させたい。JTA出身者として初の重責を担うが、チャンスをいただいた。しっかりお客様を獲得していきたい」と抱負を語った。
首都圏と北陸を直結するJRの北陸新幹線と競合する中、JAL北陸支店は首都圏や沖縄などからの搭乗客増に取り組んでいる。
販売促進面でJTAの顔的存在だった糸数氏は「私のDNAはJTAにある。培った経験を生かし、沖縄と北陸の百貨店などで双方の『観光と物産展』を催すなど、沖縄と北陸をつなぎ、人流、物流を活発にしたい」と意欲を見せた。
糸数氏は1989年、JTAの前身の南西航空に入社。JTA東日本支店長、執行役員コミュニケーション部門長などを歴任。JALセールスへの出向を含め、4度目の県外勤務となる。
(松元剛)