辺野古「ゼロにできない」 稲嶺元知事 現計画見直し訴え


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オンライン講演会に参加した稲嶺恵一元知事=7日

 【東京】稲嶺恵一元知事は7日、東京都内で開かれたオンライン講演会で、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について、「全くゼロということはもうできない」との認識を示した。その上で、「現状に合った形でのチェックは必要だ」とし、政府と県との対立が続く現行計画見直しの必要性を訴えた。県外在住者に向けた提言として「防衛政策は全国的な課題だ」とし、沖縄に基地負担を集中させている現状認識を深めるよう求めた。

 日本記者クラブが主催する沖縄の日本復帰50年をテーマにした講演。

 稲嶺氏は辺野古新基地建設について、政府の方針に沿って埋め立て工事が進行している現状を踏まえ、「現実にある程度の工事が進んでいる。全くゼロということはもうできない状況だ」と述べた。一方で、自身の在任時から移設計画が変遷した点や、世界情勢の変動も踏まえ、「一度決めたことを最後まで何から何まで全部そのまま推し進めるということではなく、現状に沿った形でのチェックは必要だ」との見方も示した。

 2022年度以降の新たな沖縄振興策について、官房長官以下主要閣僚と知事が出席する「沖縄政策協議会」が開催されていない点を「心配だ」とし、「(沖縄振興につながる)花を咲かせるための種がまかれていない」と指摘した。沖縄振興の課題となっている産業の「高付加価値化」に向けて、海外からの自家用機の離着陸が可能な宮古島の下地島空港活用などを提案した。

 (安里洋輔)