初めて採用担当を任された時、覚えておくと困らないたった1つのこと<沖縄お仕事相談デスク>


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

今回のお悩み

勤めている会社で今年度から採用担当になりました。まず最初に何をしたらいいでしょうか?

 

今回の回答者は…

採用のことならお任せ

ファンシップ代表取締役で採用コンサルタントの

小宮仁至さんです。

 

新年度も始まり、人事異動で新たな役割やお仕事を任された人も多いのではないでしょうか。

今回は、この春初めて採用担当になられた方からのご相談です。

私はこれまで沖縄県内だけでも400社以上の事業者から採用に関するご相談を受けています。しかし、その中で「採用担当専任者」という役割で働いている方と出会った経験は指折り数える程度しかありません。

毎年、数十人規模の採用を任されている会社の採用担当でも、人材育成研修との兼任であることも。それでもまだ良い方で、大抵は総務部の業務の一つで、優先順位が4〜5番目であるケースが多いです。

中小零細企業の場合、経営者が採用活動を担っていることも多々あります。

このような前提を踏まえた上で、今回のご相談を振り返ってみましょう。

 

 

■社内に採用について相談できる人がいない

 

相談者さんの話を聞くに、恐らく前任者の退職や異動で、まともな引継ぎもなく「〇〇さん、採用担当もやってね」と言われているケースだと推測されます。

つまり社内に採用のことを相談したり質問できたりする人がいないまま、採用担当を任されているわけです。不安でしょうね…。

ちなみに、こういう事業者。人材に困っていないわけではないんです。現場からは人材不足で「会社は何やってるんだ!?」と不満の声が上がったりしていることがよくあるんです。

さてこういう場合、新任の採用担当者さんがやってしまいがちなこと、それは「今までと同じことを続ける」ですね。

無理もないです。教えてくれる人もいない、何をやっていいかも分からない、それなら、とりあえずこれまで通りにやるしかないですもんね。

そうなると、手始めにこれまで掲載していた求人メディアに掲載する、これまでお願いしていた人材派遣会社にオーダーする…というところでしょうか。

それで充分な成果が出ていればいいのですが、現場からは「早く人員を補充してくれ!」と矢のような催促がある場合、これまで通りでは、ダメな気がするから…というわけで次にやってしまうことが「とりあえず目新しい求人メディアを使ってみる」です。

大体ここまでは新任の採用担当者さんが通る道。問題はそれでも応募が全然来なかった場合です。

(ちなみに私に相談が来るのは、大抵この辺でつまづいている採用担当者です)

 

 

■どこの求人メディアを使うか?が決まるのは一番最後

 

こういう場合、私が新任の採用担当者にお伝えするのは「求人メディアを決めるのは採用活動の一番最後ですよ」ということです。ちょっと意外でしょうか?

 

採用は初めてかもしれませんが、恋愛経験はどうでしょう?採用を恋愛に例えて考えてみることをおすすめします。

「どの求人メディアを使っても応募がないんです!一体どうしたらいいんですか?」

と困っている状態って、恋愛に例えると

「どのマッチングアプリを使っても恋人ができないんです!一体どうしたらいいんですか?」

と言っている状態にそっくりなんです。

今どき、マッチングアプリでの出会いも全然珍しくありませんが、そもそもアプリの選び方だけが恋愛でしたっけ?

自分が好きなタイプはどんな人だろう?

相手は私のどこを好きになってくれるかな?

そういう出会いはどこに行けばあるだろう?

と内省してみることは意味がないことでしょうか?いや、むしろとっても大事なことですよね?

採用活動も同じです。

今、会社が本当に求めている人はどんな人なのか?

その求職者はわが社のどこに魅かれて応募してくるのだろうか?

そしてその人はどこに行けば会えるのか?

 

少なくともこういうことを、明確にしないことには恋愛も採用も動きようがないのです。

 

求人メディアを全く使っていない層も大いにいます。そうなると、「どの求人メディアがいいのかな?」という問い自体が間違っていることになりますね。

 

人と人との出会いは、奇跡のような、運命のような出会いであふれています。

そして採用も恋愛も、必ず相手が「人」なのです。世界に2人として同じ人がいない「人」と出会う行為が採用活動です。

 

というわけで、冒頭のご相談者さまのご質問に戻ります。

勤めている会社で今年度から採用担当になりました。まず最初に何をしたらいいでしょうか?

ケースバイケースなので、答えるのが難しいのですが、

とにかく困ったら「恋愛に置き換えてみる」ことを忘れなければ、少なくとも相談できる人もいるし、何から手を付けていいのか全く分からない、という状態ではなくなると思います。

ぜひお試しあれ!!

◇執筆者プロフィル

小宮 仁至(こみや ひとし) ファンシップ株式会社 代表取締役

広告会社やWEBマーケティング会社を経て、2015年にファンシップ(株)を創業。2016年より「レンアイ型Ⓡ採用メソッド」を提唱し、企業へのセミナーや求職者への採用支援を実施している。
1979年生まれ 熊本県出身。うちな〜婿で2児の父。