【久米島】任期満了に伴う久米島町長選挙が12日告示され、3人が立候補を届け出た。町長選では2006年以来16年ぶりの選挙戦となる。町民からは「自分たちで選べてうれしい」「島を変えるチャンス」と投票を歓迎する声が上がる。候補者に望むこととして、新型コロナ禍で落ち込んだ島の産業や観光振興、人口減少対策、子育て福祉施策の拡充を求める意見が聞かれた。
「上等さー」。農家の男性(82)は久しぶりの町長選を喜んだ。無投票は「ひじゅるーなる(関心が冷める)からだめよ」。候補者に「農業振興」を望む。
漁師の男性(35)も「自分たちで町長を決められるのはうれしい」と話し、投票へ行くと決めている。コロナ禍の影響で年収は1千万円減り生活は苦しくなった。「1次産業の補助をしてほしい」と切実に訴えた。
自営業の女性(65)は「選挙はとっても大事。無投票はナーナー(なれ合い)になる。票を入れられるのは島を変えるチャンスだよ」と話す。候補者には観光による島の経済活性化と人口減少対策を望んだ。
3人の子育て中の女性(47)は「歯科医院や病院を増やしてほしいな」と願った。2人の乳幼児の母親(33)も「子育て施策を手厚くしてほしい」と要望。町内に大きな公園は2カ所だけだとして、「雨が降っても子どもが遊べる屋根付きの公園を作ってほしい」とも。3人の子育て中で養殖業の男性(24)も「日曜日は人でいっぱいになる」として新たな公園設置を望み、島で子育てしやすい環境づくりを求めた。
(照屋大哲)