久米島町長選・立候補者インタビュー 3人の主な公約を聞いた 17日投開票


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候補者インタビューで主な公約などについて話す(左から)大道敦氏、吉永浩氏、桃原秀雄氏

 【久米島】任期満了に伴う久米島町長選が12日告示された。届け出順にいずれも無所属新人で、久米島商工会前会長の大道敦氏(64)、町議会前副議長の吉永浩氏(41)、前副町長の桃原秀雄氏(62)の3氏が立候補を届け出た。2006年以来、16年ぶりの選挙戦となることが決まった。投開票は17日。立候補者に主な公約などについて聞いた。 (聞き手・照屋大哲)


<大道敦氏>暮らしと景気V字回復へ

 ―出馬の理由は。

 「コロナ禍で、ある女性から『この島で安心して出産や子育てができない』という悲痛な声を受けた。島を変えるためには自分の会社だけでは限界があり、町長になり変えたいと思ったからだ」

 ―主な公約を三つ。

 「地域振興では観光客を増やし、暮らしと景気をV字回復させる。東京に町事務所を設置し、国や県とのパイプをつくり、久米島の知名度をアップさせ、美と健康の島を女性にPRする。次に人口もV字回復させる。島内の通信インフラを整備してワーケーション環境を整え、全国から移住者や島の人の雇用を増やす。三つ目は女性と若者が活躍できる島にする。町役場に『女性・若者活躍課(仮称)』の新部署を設置する」

 ―海洋深層水事業への取り組みは。

 「民間の力を活用し、日量1万3千トンの取水量を10万トンにして、関連する雇用も現在の200人から千人に増やしたい」

 ―コロナ対策は。

 「3回目ワクチン接種を推進し、経済を回復させる。飲食店だけでなく第1次産業やレンタカー、タクシー業界などの支援も考えたい」

 ―他の候補にない強みは。

 「民間のノウハウで培った計画性と実行力だ。夢を語るのではなく実行する。役場職員の意見も聞きながら取り組む」

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 大道敦氏(おおみち・あつし) 1957年9月7日生まれ。町儀間出身。久米島高卒。理美容室経営などを経て、2001年に化粧品製造のポイントピュールを創業。同社社長。21年6月から22年3月末まで久米島商工会会長を務めた。


<吉永浩氏>子育て世代の支援を充実

 ―出馬の理由は。

 「町民の意思と町政のまちづくりにズレを感じていた。町民の声を反映するため、執行権のある町長となり、一人一人の思いを大切にしたまちづくりを進めていきたいとの思いで立候補した」

 ―主な公約を三つ。

 「まず子育て支援の充実。病児保育体制の構築や第3子以降の給食費無償化、習い事助成などに取り組みたい。二つ目に若者や女性活躍も進めたい。資格取得や再就職支援、男性の育休取得などを促進し、島に住み続けられる環境づくりを行政としてバックアップしたい。三つ目は産業振興で稼げる島づくりにも取り組む。商工会や第1次産業などで構成する町経済5団体に挑戦する若者を後押しし、島で仕事ができるようにしたい」

 ―海洋深層水事業への取り組みは。

 「取水管を大きくし、取水量を増やしたいが、身の丈にあった取水も考えたい」

 ―コロナ対策は。

 「感染対策をした上で、行政として観光客誘客を図り、町経済5団体と連携して観光振興を進めたい」

 ―他の候補にない強みは。

 「4人の息子を育てる子育て世代であることだ。子育てに関する悩みや要望を聞き町民に寄り添える。保健師の経験も生かし、子育て、保健医療、福祉は負けない」

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 吉永浩氏(よしなが・ひろし) 1980年5月2日生まれ。町真我里出身。県立看護大卒。2003年に保健師として町役場に採用され15年に退職。同年の町議選で初当選し、19年副議長。町長選出馬のため2期目の今月12日に自動失職。


<桃原秀雄氏>副町長8年の経験生かす

 ―出馬の理由は。

 「まちづくりは継続だ。25年の役場勤務と副町長を8年務めた経験を生かしたい。歴代の町長が取り組んできたことを引き継ぎ、子や孫にこの島を残したいとの思いから立候補を決意した」

 ―主な公約を三つ。

 「人口減少問題が大きな課題だ。これまでの町長がやってきた対策事業を検証し、若者の移住定住を促進して、島で子を産み育てやすい環境をつくりたい。二つ目は観光振興。コロナで観光客が10万人から6万人に減った。健康保養のウェルネスツーリズムを進め、チーム久米島や町経済5団体と連携し、10万人に戻したい。福祉政策にも取り組み、待機児童ゼロを見据えた認定こども園や公設民営の歯科医院設置を検討したい」

 ―海洋深層水事業への取り組みは。

 「取水管を大きくし、取水量を現在の日量1万3千トンから10倍の12~13万トンに増やしたい」

 ―コロナ対策は。

 「2年間で町は43の事業をした。今後もできるものは継続する。国と県の支援に町の財源を加え、企業への経済対策をしたい」

 ―他の候補にない強みは。

 「地域に入り、地域の声を聞く自信がある。計33年間の行政経験を生かし、役場職員をまとめ、町民のための議論を進めていきたい」

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 桃原秀雄氏(とうばる・ひでお) 1959年7月30日生まれ。町宇根出身。沖国大卒。89年に旧仲里村役場に採用。久米島町議会事務局長、総務課長などを歴任し、14年6月から副町長を務め、町長選出馬のため22年3月末に辞職した。


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