那覇バスがEV導入 18日から市内路線で運行開始 県内初、渋滞緩和全国先駆け


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那覇バスが導入した県内初となる電気自動車(EV)の路線バス=15日、那覇市泉崎の那覇バスターミナル

 那覇バス(那覇市、小川吾吉社長)は電気自動車(EV)のバスを導入し、18日から那覇市内路線で運行を始める。同社によると、EVの路線バス運行は県内初で、全国でも先進的な取り組みという。静音で排気ガスを出さず、普及拡大を通して県内の二酸化炭素(CO2)排出量の削減や渋滞緩和への貢献を目指す。

 那覇バスを傘下に置く第一交通産業(福岡市、田中亮一郎社長)は、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を踏まえ、グループが所有する車両のEV化を計画。第1弾として県内での路線EVバス運行を開始する。

 車両は北九州市のベンチャー企業「EVモーターズ・ジャパン」製造の2台を導入した。深夜電力を使用することで約1500円でフル充電となり、約230キロメートル走行することができる。ボディは炭素繊維強化プラスチックを使用し、同サイズのEVバスに比べ400キロ以上軽量化されている。定員は29人。

 静穏性や環境面を配慮し、那覇バスターミナルから国際通り系統10番「牧志新都心線」として運行し、1日7便で使用する。系統12番の「国場線」でも一部運行する。車両の中心に首里城を描いている。

 那覇バスは15日、那覇バスターミナルで出発式を開催し、EVバスを披露した。第一交通の田中社長は「公共交通機関としての役割を果たし、カーボンニュートラルを推進したい」とあいさつ。EV整備工場や充電設備の拡充にも意欲を見せた。那覇バスの小川社長は「将来的には、那覇空港から観光客を乗せて泊埠頭(ふとう)の高速船乗り場に付けられるようにしたい」と語った。(小波津智也)