高木製作所が沖縄に工場 車部品メーカー、金型製造の拠点に うるま市


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
独自改良した設備を背に「沖縄工場の技術と人材が、いずれは岡崎工場に刺激を与える存在になってほしい」と話す寺町泰晃社長=18日、うるま市勝連の高木製作所沖縄工場

 自動車プレス部品メーカーの高木製作所(名古屋市、寺町泰晃社長)がうるま市勝連に直営の沖縄工場を開設し、18日に開所式を行った。同社の直営工場は愛知県の岡崎工場、新城工場に次いで3カ所目。県が整備した賃貸工場の1棟に入居する。沖縄工場を金型製造の拠点に位置付け、業務を集約することで高品質かつ迅速な商品製造を展開するほか、沖縄のものづくりを支える人材育成にも力を入れる。

 ものづくり人材育成も

 高木製作所は国内に10拠点、中国や北米など海外に6拠点を構え、自動車のボディー部品や精密部品などあらゆる部位の小物プレス部品を設計・生産している。製造した部品はトヨタ自動車を中心に国内大手自動車メーカーで使用されている。

 沖縄工場では、独自ソフトで設計した各種金型のデータを基に、機械加工する作業を担う。当面の目標はエンジン部品や電子部品など年間60型の製造を目指し、徐々に開発領域を広げ付加価値性も高めていく。

 県内のものづくりに携わる人材の可能性にも着眼しており、2020年度から21年度にかけて約10人を採用し、岡崎工場などで技術研修に参加させた。次年度以降も県内の人材を積極的に採用し、沖縄工場の基盤強化を推進する。

 琉球新報社の取材に応じた寺町社長は、自動車業界で「CASE(つながる、自動化、シェアリング、電動化)」という次世代技術への対応が迫られる中、金型も時代に応じた商品開発が不可欠だと指摘。「100年に一度と言われる自動車業界の変革期を生き残れるよう、顧客のニーズに合致した金型をタイムリーに造れる拠点にしたい」と意気込んだ。

 また、寺町社長は24年には福岡県にも新たな部品工場を開設すると明らかにし、「九州沖縄で連携して強固なネットワークを築き、トヨタ自動車九州やダイハツ九州向けの現地生産体制を整えたい」と述べた。
 (当銘千絵、写真も)