知事の地元で痛い敗戦…自民は知事選の選考を加速 沖縄市長選<県内政局>


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沖縄市役所

 沖縄市長選は政権与党の自民、公明が推す桑江朝千夫氏が、玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢が支援する森山政和氏を破り、3期目の当選を果たした。1月の名護・南城、2月の石垣に続く「選挙イヤー」序盤の4市長選全てで自公が勝利を飾り、7月の参院選や9月の県知事選に向けて勢いを維持した。オール沖縄勢は昨年10月の衆院選で沖縄3区を奪還されて以降、厳しい結果が突き付けられており、態勢弱体化が改めて浮き彫りとなった。

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 玉城知事のお膝元でもあり、県内第2の都市での敗北で、知事の求心力低下も避けられない。

 桑江氏の実績に加え、新型コロナウイルスの影響で長引く経済や市民生活への影響を背景に、3市長選と同様、「国とのパイプ」がコロナからの回復の起爆剤として期待された形だ。森山氏は「県とのパイプ」による市民生活向上を掲げたが浸透は限定的だった。

 オール沖縄の候補者選考を巡っては、知名度のある現職に挑む構図となることもあり、調整は難航し、オール沖縄の影響力の低下を物語った。

 県内政局は参院選、知事選へと舞台を移す。参院選沖縄選挙区のオール沖縄、自民双方の擁立候補者は固まっており、今後、本格的な前哨戦が始まる。知事選に向けて、自民は候補者選考を加速させる見通しだ。

 4連勝で盤石ぶりを見せつけた自公だが、現職に挑む構図の参院、知事選では候補者の知名度向上が鍵となる。オール沖縄は厳しい局面が続く名護市辺野古の新基地建設の阻止に向けた道筋や、県民生活の立て直しに向けた説得力ある施策を示せるかが問われそうだ。 (大嶺雅俊)

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