「あなたを忘れない」米軍属女性殺害事件6年 現場に献花し悼む人も


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献花台の前で黙とうをささげる吉田勝広さん=28日午前6時45分ごろ、恩納村安富祖

 【恩納】2016年に本島中部でウオーキングをしていた女性が元海兵隊で米軍属の男に殺害された事件から28日で6年となり、7回忌を迎えた。恩納村安富祖の遺体が見つかった現場では、亡くなった女性を悼む人たちが訪れた。設置された献花台に花を手向け、静かに祈りをささげた。

 午前6時ごろに献花台を設置した元金武町長の吉田勝広さん(77)は「このような事件は忘れてはいけないし、繰り返してはいけない」と強調する。事件後、現場に手向けられた人形や折り鶴を保管し、命日に合わせて献花台に供えてきた。

 2021年10月、米兵が女性に性的暴行を加えようとしてけがを負わせた事件に触れ「いまだに米軍関係の事件は後を絶たない。事件を受けて、沖縄がどうあるべきなのかを考えるきっかけにしてほしい」と献花台を設置した理由を語った。

 「あなたのことは忘れない」。出勤前に現場を訪れた男性(58)は献花台に花を供えた後、黙とうした。「私の娘は亡くなった女性と同年代ぐらい。事件に巻き込まれたのは私の娘だったかもしれない。大人の責任として、米軍関連の事件が繰り返される現状を変えないといけない」と言葉を強めた。

 宜野湾市から訪れた70代の女性は「子や孫に伝えていくため、毎年ここを訪れている」と話す。「軍隊をなくさない限り、米軍の事件事故はなくならない。日米両政府はいつまで沖縄を踏みにじるつもりなのか」と憤った。

 現場は、交通量が少ない県道近くにある雑木林。時折、近くの米軍キャンプ・ハンセンから聞こえる射撃訓練の音が現場に鳴り響いていた。

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