9条改定「必要」7人増 沖縄県内首長 賛否ほぼ並ぶ 本紙アンケート 施行75年 憲法記念日


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 琉球新報は3日の憲法記念日に合わせて、県内41市町村長と県関係国会議員9人を対象に憲法に関するアンケートを実施した。市町村長のうち、憲法9条改定について「変える必要はない」との回答が14人(34・1%)で最多だったが、「変える必要がある」の13人(31・7%)、「どちらでもない」の12人(29・3%)とほぼ同数で拮抗(きっこう)した。同じ質問で、本紙が2019年に実施した首長アンケートでは「必要」と答えたのは6人だった。今回、必要と回答した首長は7人増え、9条に対する認識に変化が出ている。

 現行憲法について糸数健一与那国町長は「あまり評価しない」とし、5首長は「どちらでもない」と回答した。33首長と国会議員8人は「評価する」とした。

 一方で憲法を改定すべきかどうかとの質問には、首長の20人(48・8%)が「条文の追加や見直し」と回答。「憲法を変える必要はない」とした8人(19・5%)を上回り、9条以外の条文見直しや「加憲」を認める首長が多数となった。

 自衛隊の位置づけについて「憲法9条に明記すべき」の16人(39・0%)が最も多く、「現行のままでよい」と回答したのは9人(22・0%)だった。国会議員は自民3人が「9条に明記すべき」と回答し、野党・公明の3人が「現行のままでよい」と回答した。野党2人は「どちらでもない」とした。

 新型コロナウイルス感染拡大などを踏まえて自民党が成立を目指す「緊急事態条項」の是非について「賛成」と回答した首長は15人(36・6%)、「反対」と回答した首長は4人(9・8%)で、賛成が反対を大きく上回った。「どちらとも言えない」が20人(48・8%)に上り、議論が進んでいない実態も明らかになった。

 国会議員では自民3人が「賛成」、野党4人が「反対」とした。公明1人が「どちらでもない」とした。

 調査はアンケート用紙を4月25日までにファクシミリやメールで送付して実施した。市町村長では古謝景春南城市長と前泊正人竹富町長が、国会議員では西銘恒三郎氏が「閣僚のため」との理由で、回答しなかった。(松堂秀樹、大嶺雅俊)