憲法記念日の3日、沖縄県憲法普及協議会と沖縄人権協会、日本科学者会議沖縄支部は、那覇市で「2022憲法講演会」を開いた。沖縄の日本復帰から50年。県内では自衛隊の南西諸島配備計画が進み、名護市辺野古の新基地建設も強行されている。オンラインも含め参加した約500人が現行憲法が掲げる平和主義の堅持を誓った。
憲法講演会では、戦後の沖縄を舞台とした小説「南風(まぜ)に乗る」を週刊ポストで連載中の小説家の柳広司さん(54)が講師を務めた。憲法が危機にひんするとも言える状況で「沖縄には平和への強い希望がある」と強調。小説家ならではの視点で、沖縄と憲法への提言を披露した。
高校生が主体となって平和学習をするサークル「沖縄高校生平和ゼミナール」の活動報告や、「沖縄と私~復帰50年、現在、未来」と題したトーク企画も行われた。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、「非核三原則」の見直しを求める声が一部の政治家から上がるなど、平和主義が改めて問われている。講演会の結びには「日本国憲法は徹底した平和主義を希求している。ウクライナ侵略を目にし、平和の実現にはこの道しかないのだとの思いを改めて強くした」などとする憲法宣言が読み上げられた。(前森智香子)