ハンガーストライキを始めた元山仁士郎さんと記者団のやりとりは次の通り。
―なぜ実施するのか。
「知事選や県民投票の結果が無視されている状況で、復帰50年を迎えられるのかと訴えるためだ。自分の体を痛めつけることになるが、このまま基地問題が続いて事件や事故が起こる可能性を考えると、その犠牲よりも自分が体を痛めつける方がましだと考えた」
―復帰して良かったか。
「特に基地問題をみると復帰しない方が良かったと思わざるを得ない。復帰前は目に見える形でひどい状況だったと思うが、沖縄の人が声を上げると米側に届いていた。復帰後は日本政府が間に挟まって声が届かない」
―関心の低下を感じるか。
「沖縄戦や米軍統治下など、沖縄を捨て石にしてきた歴史が忘れられている。そのずれは県と日本政府だけでなく、沖縄と日本に住んでいる人たちの間にもある。ギャップを少しでも埋めたい」
―復帰翌年に国会議事堂にバイクで激突し亡くなった県出身者がいるなど抗議してきた歴史がある。今回の行動をどう位置付けるか。
「日本政府がそうせざるを得ない状況に沖縄の人たちを追い込んでいる。選挙や県民投票の結果を聞いてくれるなら(自身も)ここまでする必要はないが、聞いてもらえない以上は違う手段で訴え続けるしかない。その手段の一つがハンガーストライキだ」