【東京】「『辺野古』県民投票の会」元代表の元山仁士郎さん(30)=大学院生=は9日午前、政府に名護市辺野古の新基地建設断念などを求めるハンガーストライキを東京の首相官邸前で始めた。沖縄の日本復帰50年に合わせ、場所を変えながら断食を続ける。
元山さんは「政府は選挙や県民投票の結果を尊重せず、体を張らなければならない状況に追い込まれている」と語った。ハンガーストライキの期間中、現場やインターネット上で新基地断念などを求める署名を募る。
元山さんは政府への要求事項として①新基地建設の即時断念②普天間飛行場の数年以内の運用停止③日米地位協定に関する全ての日米合意を公開し、民主的な議論を経て見直す―を掲げている。岸田文雄首相が要求事項の受け入れを表明するか、ドクターストップがかかるまで続ける。
元山さんは、沖縄の施政権が日本に返還されて50年がたっても過重な基地負担が変わらず、政府が新基地建設を強行する現状に「復帰しない方が良かったんじゃないかと思わざるを得ない。祝えるような状況にない。岸田首相が式典で要求の受け入れを表明して、ひとまず祝える形になってほしい」と話した。
15日には、復帰50年を記念する式典が開かれる宜野湾市の沖縄コンベンションセンター前でもハンガーストライキを行う予定。他にも自民党本部や公明党本部の前での実施を計画している。
元山さんは2019年の辺野古県民投票の際にも、宜野湾市役所前に座り込んで投票の全県実施を求めるハンガーストライキを行った。
元山さんは署名サイト「Change.org」で署名を呼び掛けている。サイトのページはここから。
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