「東洋のカリブに」スイス拠点のクルーズ社MSCが那覇発着のクルーズ旅行を検討 先島・台湾周遊 23年


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MSCジャパンのオリビエロ・モレリ社長(左から3人目)やジャンボツアーズの谷村勝己社長(同2人目)ら=13日、那覇市泉崎の琉球新報社

 世界規模でクルーズ船を運行するMSCクルーズ(スイス)の日本法人、MSCクルーズジャパン(東京、オリビエロ・モレリ社長)が、2023年1~3月に那覇港発着のクルーズ旅行を計画している。13日、モレリ社長が那覇市の琉球新報社を訪ね、計画を明らかにした。同社によると沖縄発着の商品は初めて。旅行代理店のジャンボツアーズ(谷村勝己社長)と連携し、国内客を中心に誘客することで沖縄の魅力のさらなる発信を目指す。MSCクルーズは那覇港に22トン級の船舶が寄港できる第2クルーズバースの整備事業に投資しており、長期的な視野で沖縄を拠点としたクルーズ旅行の展開を構想する。今回の計画はその一環で、日本に寄港するクルーズ船として最新かつ最大規模の「MSCベリッシマ」(総トン数17万1598トン、最大乗客数5568人)を使用する。

 実現には国による指針の作成や検疫体制の拡充、地域の受け入れ態勢確立などが前提となるが、4~5泊の短期日程で那覇港から先島や台湾を巡るコースなどを検討している。発着地となることで前泊や後泊が可能となり、沖縄への滞在期間が伸びることで経済効果にも期待が掛かる。

 モレリ社長は「クルーズ船はシニア層が利用するイメージがあるが、海外では若年層の利用も多い。新たなマーケットを作り出して『東洋のカリブ海』になるようプロモーションしていきたい」と話し、県や地域住民の協力を呼び掛けた。

(小波津智也)