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県経済をけん引 復帰50年・沖縄の観光<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 今日は、沖縄県が日本復帰を果たしてからちょうど50年という節目の日です。沖縄県では復帰以降5次にわたる振興計画によりさまざまな振興策を推進した結果、経済的な発展を遂げてきました。その中でも観光産業は、沖縄のリーディング産業として県経済を特にけん引してきました。しかし、半世紀を経て新たな課題も見えてきました。

 日本復帰以降、沖縄県では1975年の海洋博をはじめとするさまざまな取り組みやプロモーション、宿泊施設・道路等のインフラ整備を行い、観光客の誘致を進めてきました。その結果、観光地としての魅力が広く認知され、入域観光客数は年々増加、近年のインバウンド急増の後押しもあり、2019年の年間入域観光客数はついに1000万人を突破しました。

 一方で、沖縄観光において旅行者の平均消費額や平均滞在日数が海外の有名観光地と比べて少ないことや、インバウンドに配慮した多言語対応の問題なども今後さらなる発展を遂げるための課題として挙げられます。

 近年は、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、インバウンド(訪日外国人客)は皆減、国内観光客も大幅に減少してしまいました。しかし、昨年12月から今年3月までの月ごとの入域観光客数は4カ月連続で前年同月を上回っており着実な回復の動きが見られます。

 復帰50年の節目の年にコロナ禍の苦しい状況を脱し、既存の課題を徐々に解決することで、沖縄県がさらに魅力あふれる観光地として発展することに期待したいです。

(おきぎん経済研究所研究員 小嶺貴史)