自転車女子、池原が沖縄県新で3連覇 最悪状況も最大限生かす 県高校総体


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女子個人パーシュート決勝で県新記録を出した池原杏(北中城)=15日、県総合運動公園自転車競技場(金良孝矢撮影)

 県高校総合体育大会の自転車競技は15日、県総合運動公園自転車競技場で第2日を行った。女子2キロ個人追い抜き決勝で池原杏(北中城)が、2分53秒849の県新記録を打ち立て3連覇した。池原はスプリント決勝も制し、14日の500メートルタイムトライアルに続いて3種目で3連覇を成し遂げた。男子は謝花勇哉(沖縄工)がスプリント決勝を、仲原颯志(北中城)がケイリン決勝を制した。16日はロードレースを行う。

 激しい雨風で競技が中断されるなど、各選手が体力を奪われ集中力を欠いていた。しかし2キロ個人追い抜き決勝に臨んだ池原杏(北中城)は冷静だった。先にレースに挑んだチームの男子からトラックの状況を聞き出し、本番で最大限に生かした。

 男子の助言は「(手前の)ホーム側は追い風で(奥の)バック側は向かい風」。本番はホーム側で加速を付けて風に乗り、バック側で風に逆らわずに力を温存した。「助言通りだった」と自身も驚く好スピードを維持し、2分53秒849の県新記録を打ち立てた。

 前日の競技は、機材トラブルという痛恨のミスを犯し落ち込んでいた。

 それでも周囲から励まされ気持ちを切り替えることができた。「雨は仕方ない。転んでもいいや」という吹っ切れた考えも背中を押した。「気持ちいい走りができた」と納得顔だった。

 けがの恐れなどがあり、女子にはハードルが高いとされる自転車競技。池原は高校から本格的に始めて面白さに気づいたという。めきめきと力を付け、将来は競輪選手を目指している。大会2日目までに3種目で3連覇を達成し、最終日のロードレースでも3連覇がかかる。「高校生最後に圧巻の1位を取りたい」と意気込んだ。
 (金良孝矢)