子どもへの暴力どう防ぐ…私たちにできることは 教員・保護者らが沖縄市で勉強会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
学校での暴力に関する勉強会に参加し、グループで話し合いを進めた参加者=14日、沖縄市福祉文化プラザ

 体罰、ハラスメントなど、子どもへの暴力が繰り返されないために、私たちにできることは何か―。14日、沖縄市の福祉文化プラザで暴力が起こる背景や、子どものSOSを聞く方法、子どもの声を生かす実践方法を模索するための第1回勉強会が開かれた。教師や保護者、部活動指導者、暴力を受けた子どもらの支援団体職員など約20人が参加した。互いの立場で感じていることを打ち明け「今日からできること」を一緒に考えた。

 勉強会は、沖縄市こども施策研究会と公立高校保護者有志の主催。一つのテーブルに立場が違う4~5人が集まり、これまで互いに見聞きした子どもへの暴力を紹介し合った。

 「先生に、あなたの心は汚れていると言われた子がいた。手を出していなくても、痛みを残すようなことは指導ではなく暴力だ」「子ども同士の関係でも心理的な暴力が多い。SNSの書き込みは大人が気付くことが難しい」など、特に精神面への「見えない暴力」について多く事例が挙げられた。

 他のグループでは部活動に関する事例が話し合われ、大会優勝を知らせる横断幕に話題がおよんだ。「横断幕を見た子どもたちは、勝つことを目指さなければならないと感じてしまう」「地域や保護者の期待もあるだろうが、優勝に到達できない子どもや、その競技が好きで入部した子どもの気持ちは置き去りにされている」など、「空気による暴力」も話し合われた。

 学校で暴力が起こる原因としては、教員の業務過多による「余裕の無さ」を指摘する声が多かった。保護者の女性は、教員の業務過多を解決するには「学校現場、行政だけは難しい。学校に子を預ける保護者、地域、社会全体が自分事として関わる必要があると思う」と語った。同じグループの一人が「まずは自分の近くにいる人と話をしてみることが第一歩なのかも」と話すと、他の参加者も大きくうなずいていた。
 (嘉数陽)


孤立させず相談しやすい環境を 子どもを暴力から守る おきなわCAPセンター・奥間さん