県高校総合体育大会は22日、各地で先行競技が行われた。バドミントン男子団体は美里工が3―2で普天間に競り勝った。女子は普天間が3―2で糸満との接戦を制した。男女いずれも初優勝だった。
男子団体決勝は、2―2の接戦で迎えた最後のシングルス戦に全てが委ねられた。美里工の知念俊希と普天間のエース小渡たからの一戦。昨年の新人大会シングルス覇者の小渡が優勢と目されていた。しかし知念に勝利を譲る考えはなかった。
第1セットの中盤まで「早く点を取ろう」と攻め急ぐが、カウンターを受けて先行された。それでも戦略を変え、徐々にリズムをつかむ。コート全体に打ち分け、フェイントを入れて相手を翻弄(ほんろう)。隙を突いて得点し、第2、3セットは主導権を握り続けた。
「絶対に負けない気持ちでいった」と、得点するたび拳を握って強い気持ちを表現した。小渡は中学時代に競ったライバル。「実績ある相手に怖い部分もあった」が、攻めの姿勢で金星を挙げ「楽しくできた」とうなずいた。
団体の初優勝は「チームで勝ち取った」と仲間の健闘も忘れなかった。小学生から指導している崎原成豊外部コーチは「最高の教え子たちになった」と目を細めた。チームとして全国で「沖縄のバドミントンが強いことを見せたい」(座安紀成主将)考えだ。
(金良孝矢)
自身追い込み勝利 普天間1年・眞鶴
第1セットを取られ後がなくなった第2セット。「自分が頑張らなければ誰が頑張るのか」。普天間1年の眞鶴三愛は団体戦の最終シングルスで自身を追い込んだ。相手の後ろに見えるのは先輩たちの顔。「一緒に全国へ行きたい。とにかく負けない一心だった」
第1セットは焦りでミスを重ね、相手に連続得点を許す。第2セットから自信のあるフィジカルを生かした。常に足を動かしてシャトルを追う粘りのプレーで勢いづき、2セット連続で奪った。優勝を決めた瞬間は顔をくしゃくしゃにして喜んだ。
隣のコートで先勝した3年の新垣愛は「苦しい中でプレーしていてすごかった」と健闘をたたえた。眞鶴は「全国でどんな相手でも自分たちのプレーを出したい」と意気込んだ。 (金良孝矢)