水球、那覇商がコールドで連覇 「パスライン守備」で全国挑む 県高校総体


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那覇商業―那覇西・陽明 第1ピリオド、攻め込んでシュートを決める那覇商業の中林昭栄=22日、奥武山公園水泳プール(ジャン松元撮影)

 県高校総合体育大会は22日、各地で先行競技が行われた。水球は那覇商が19―5で那覇西・陽明合同にコールド勝ちで2年連続で優勝を飾った。

 全国を見据える那覇商が、個々の能力の引き上げを目指して戦った。難しい条件下でのプレーを想定して試合に臨み、第2クオーターまでに5失点にとどめ、10点差を付けてコールド勝ちにつなげた。

 新人大会は那覇西・陽明に9点を取られた。相手エースの新里治樹(那覇西)は中学生の頃、沖縄フリッパーズで那覇商の主力とチームメートで、全国を経験した。本来は2人掛かりで守るところを、この日は中林昭栄が1対1で向き合った。「最初はやられていたが、徐々に対応できた」と簡単にはシュートを打たせず。GK大城心虎との連係もはまり、大城は8割のセーブ率で何度もシュートを阻んだ。

 チームは5月の連休中に、母親が石垣市出身で日本代表のGK棚村克行から指導を受けた。「沖縄のチームに合っている」と代表が使う「パスライン守備」を伝授された。常に相手の前に出てパスコースをつぶしてマークする戦術だ。体力を要するが、鍛えてきた泳力で習得に取り組んでいる。

 中林は「全国制覇を成し遂げたい」と断言する。全国総体を目指し、まずは出場権を得られる九州3位入り成し遂げる。(謝花史哲)

最後まではつらつと 那覇西・陽明

第2ピリオド、粘り強い攻撃でシュートを放つ那覇西の新里治樹

 選手が1人足りずに6人で戦った那覇西・陽明だったが、最後まではつらつとボールを追い掛けた。陽明の生徒が、泳ぎが苦手でも選手に加わってくれたことで、県総体出場がかなった。主将の新里治樹(那覇西3年)は「来てくれたことに感謝しかない」と合同チーム最後の試合を心から楽しんだ。

 感謝の気持ちは、ひとり親で育ててくれた母親にも。「変なプレーしたら後悔する」と劣勢にも下を向かず5得点を挙げた。次は那覇商の選手と組む予定の国体へ。「ぜひ結果を残してほしい」と、那覇商の全国総体での活躍を期待した。
 (謝花史哲)


▽決勝(奥武山水泳プール場)

那覇商業 
 19―5(12―2,7―3)
那覇西・陽明

 (コールド)

優勝した那覇商業