「台湾防衛 我々の約束」 日米首脳会談 バイデン氏明言 辺野古推進も確認


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名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部=3月17日、航空機より撮影

 【東京】岸田文雄首相は23日、バイデン米大統領と東京都の迎賓館で会談した。会談後の共同記者会見でバイデン氏は、中国が台湾を攻撃した場合、台湾の防衛について「我々の約束」と明言した。中国の動向もにらみ、南西地域では米軍と自衛隊が基地の共同使用を進めており、沖縄では訓練激化などさらなる基地負担増加も懸念される。一方、普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を含む在日米軍再編を進めることも確認しており、在沖米軍基地の固定化など負担の増大につながる恐れがある。

 両首脳は、日本の防衛力を抜本的に強化し、日米同盟の「抑止力、対処力」を強化する方針で一致した。会談後に発表した共同声明は「(辺野古移設が)普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」だと位置付けた。

 在沖米海兵隊の米領グアム移転や鹿児島県馬毛島での米軍空母艦載機の陸上空母離着陸訓練(FCLP)施設整備も盛り込んだ。

 会談の概要を説明した木原誠二官房副長官によると、辺野古移設について岸田首相が推進の意思を示し、バイデン氏が同意した。木原氏は「基地負担全体の軽減という文脈で議論された」と述べた。

 両首脳は会談で、日米の人材交流を進めていくことも確認した。岸田首相は、高校生以上の若年層を互いに派遣する「カケハシ・プロジェクト」について、沖縄や広島、長崎で拡充していく方針を示した。 (明真南斗)