追悼、継承の場打撃 慰霊祭中止・縮小で新たな手法模索も


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 3年連続で新型コロナウイルスの感染拡大が沖縄戦犠牲者の追悼行事を直撃している。県遺族連合会などが平和行進を中止するほか、同窓会や遺族会などが開く慰霊祭など12の行事も中止や規模縮小を予定する。このうち、ずゐせんの塔はリモート開催を検討するなど、コロナ禍でも追悼や継承の場をなくすまいと、新たな形を模索する動きも出ている。

 ずゐせんの塔の慰霊祭は昨年中止したが、旧県立首里高等女学校瑞泉同窓会の新元貞子会長(96)によると、今年は「ずゐせんの塔慰霊祭サポートの会」とオンラインでのリモート開催を計画している。

 コロナ禍で首里高校関係者などへの幅広い呼び掛けができない状況が続く中、新元さんは「だんだん仲間が亡くなり本当に寂しい限りだ。慰霊祭を引き継いでくれることに少し明かりが見えるが、県も沖縄戦に動員された21学徒隊の継承にもっと力を入れてほしい」と望む。

 沖縄師範健児之塔も昨年は中止したが、今年は開催する。規模など詳細は調整中という。海鳴りの像の戦時遭難船舶遺族会慰霊祭は昨年に続いて中止する。南洋群島帰還者会も昨年と同様、慰霊祭は中止し自由参列とする。帰還者会の上運天賢盛会長(90)は「参列するほとんどが高齢者。2千人の新型コロナ感染者が出ているので怖い」と話す。会の役員は午前10時~午後3時まで待機し焼香に来る人を待つという。

 昨年より少し規模を拡大して実施するのは二中健児の塔。昨年は10人程度だったが、今年は100人規模で検討する。城岳同窓会の與儀幸英事務局長(73)は「同窓会で慰霊祭は必ず開催しようと話し合ってきた。今年の状況を見て100人規模なら開催できると判断した」と話す。

 昨年同様、規模縮小し実施するのは一中健児之塔、ひめゆりの塔、白梅之塔(自由参列)、島守の塔、南燈慰霊之塔、和魂の塔、アブチラガマ。未定は開南健児之塔、沖縄工業健児之塔。南冥の塔は通常開催。名護市の少年護郷隊之碑は読経するが、年々参加者が少なくなっているという。 (中村万里子まとめ)