米軍「質問、答える必要ない」 16年に汚染水確認も地元軽視の姿勢 普天間飛行場内PFAS


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 米軍普天間飛行場内での高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)汚染は、2016年の時点で確認されていた。米軍関係者のメールのやりとりでは、外部からの問い合わせに「地元の飲料水が軍の水源の影響を受けないのであれば、質問に答える必要がない」との記述もあり、地元軽視の姿勢が透けて見える。

 本紙が入手したメールのやりとりは米上院議員の在沖米軍基地でのPFAS汚染に関する問い合わせへの対応を協議する内容が記録されている。普天間飛行場内のPFAS調査について在沖米海兵隊関係者が発信したメールは高濃度のPFASが確認された「消火訓練施設」とは別の場所で比較的濃度が低い場所が確認されたことを説明する。

 ただ、この地点が消火訓練施設とつながっていないことを挙げて「施設からの雨水排水を『清浄』とする根拠にはならない」と指摘。他方、米軍から開示された資料に基地外への高濃度PFASの流出を確認できる記述はなかった。

 消火訓練施設での高濃度PFASの確認の要因としては「(PFASを含むとされる)水成膜泡消火薬剤(AFFF)を使用した訓練の経緯と符合する」と説明している。内部資料によると、16年3月以降、在沖米海兵隊はAFFFの訓練使用を中止した。だが、それ以降も普天間飛行場ではたびたび基地外への消火剤流出事故が起きている。

 県は米側から16年2月の普天間飛行場での検査結果について、報告を受けていない。県環境部環境保全課の横田恵次郎基地環境対策監は「地下水汚染が発生していることは確実だ。国と米軍に対策を講じるよう求めてきたが、何も進んでいない。まず一歩でも進めてほしい」と訴える。県は情報を収集するとともに、今後実施する調査の資料とするために水質検査結果などの入手に努める考えだ。
 (塚崎昇平、安里周悟)


普天間飛行場に基準576倍のPFAS 2016年の米軍調査、基地外流出も