レスリング男子60キロ級、浦添工の呉屋が制覇 県高校総体


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60キロ級 北部農林の島津光一郎(右)にタックルを決める浦添工業の呉屋幸泰=29日、名護市の北部農林高校(大城直也撮影)

 県高校総合体育大会は29日、各地で20競技を行った。レスリング男子60キロ級は呉屋幸泰(浦添工)、同65キロ級は饒波悠稀(北部農林)が制した。

ブランク乗り越え初全国へ

 試合の重圧などで一度は競技を辞めたという男子60キロ級の呉屋幸泰(浦添工3年)。約1年のブランクを経て、「後悔したくない」と今年4月に競技を再開した。「負けたら最後の大会になる」。集大成のリーグ戦は1年生のころから切磋琢磨(せっさたくま)したライバルたちと向き合った。

 初戦は昨年の新人大会覇者の大城良太(南風原3年)だった。パッシブ(消極的姿勢)で2点取られたが、「後で取り返せばいい」と焦りはなかった。残り40秒で相手の両足をつかんで倒し、ラストポイントで勝利した。

 続く島津光一郎(北部農林3年)との対戦は2―9でリードされる展開に。「絶対に負けたくなかった」と得意のタックルで地道に得点を重ね、延長戦に持ち込んだ。延長戦では残り2分11秒、「相手の上半身が上がっていた」と足元から押し倒し、4点を奪った。そのまま2点を追加して逃げ切った。

 競技再開を後押しした母の江美子さん(44)は「相当なプレッシャーだったと思う」と目に涙を浮かべて喜んだ。呉屋は「ほっとした」と晴れ晴れとした表情だ。初の全国は「自分の力を全て出し切りたい」と悔いなく終えるつもりだ。
 (古川峻)