5月上旬から続く天候不順により、沖縄県内で農作物の生育不良や作付け時期に遅れが出るなど影響が生じている。長雨による日照不足は農家にとって手痛い打撃で、田畑の冠水被害に遭った農家もある。品薄によりスーパーマーケットなどでの野菜の販売価格は例年より高い傾向にあり、家庭の食卓にも影響を及ぼしそうだ。
沖縄気象台によると、沖縄地方の5月の降水量は平年の約3倍で観測記録が残る1946年以降最多となり、日照時間は平年の約半分で同最少と、記録的な天候不順だった。気象台は3日「今後10日間程度は曇りや雨の日が多い状態が続く」と予測しており、農作物の管理に十分注意するよう注意喚起している。
6月に入ってからも天候不順が続き、太陽光を浴びて光合成し、エネルギーをつくり栄養を蓄える農作物の生育にとっては厳しい環境が続いている。
沖縄協同青果によると、県内ではオクラやゴーヤー、ヘチマなどが旬を迎えているが、長雨や日照不足による生育鈍化で、入荷状況が例年より若干出遅れている。夏野菜の主力であるゴーヤーの入荷は例年だと日量15トンほどあるものの、現在は8トン前後の入荷で推移。スイカも日照不足の影響から小玉傾向にあるという。
JAおきなわの担当者も、オクラや葉野菜の取り扱い量が前年同時期と比べて少ないと指摘する。現時点では取引価格が極端に値上がりしているわけではないが、「今後も天候不良が続けば、価格が高騰する品目は増えるだろう」と危惧した。
(当銘千絵)