城間幹子那覇市長が7日、次期市長選候補を支援する際、辺野古新基地建設問題に関して「政治姿勢はことさら問わない」などと述べたことが波紋を広げている。8日の市議会代表質問では与党から発言の真意や城間氏の政治姿勢を確認する質問が相次ぎ、城間氏は火消しに追われた。
与党が問題視した発言は、城間氏が7日の代表質問で奥間亮氏(自民)に答弁したもの。「那覇市政の運営に辺野古新基地への賛否が直接影響するものではなく、(賛否の)いずれかが望まれるというものではない」とも述べた。これらの発言に対し、与党の糸数貴子氏(ニライ)は「非常にショックだ」と表明。米軍人・軍属による事件に触れ「那覇の女性、子どもの福祉にも関わる問題だ」と指摘した。城間氏は「基地問題は那覇市政に影響がないという意味ではない。次期市長にも、本市で起きる基地問題も含めて課題に向き合ってほしい」と釈明した。
清水磨男氏(ニライ)は「翁長雄志市長、城間市長が継承してきた(辺野古移設反対の)政治姿勢を次期市長も継承できるなら、それが望ましいのか」と質問した。城間氏は「おっしゃる通りだ。どの程度の考えなのかは確認する必要はある」と述べた。
城間氏は知事選に出馬した翁長氏の後継として市長選に出馬、当選した経緯がある。オール沖縄関係者は「那覇市長だった翁長氏がオール沖縄をつくった。その意味で那覇はオール沖縄の本丸だ」と表現し、辺野古反対の民意を発信する上で県都那覇の首長の存在は重要だとの認識を示す。城間氏の後継候補が辺野古反対を掲げなかった場合、知事選への影響も懸念し「大票田の那覇でセット戦術が取れない可能性もある」と危機感をあらわにした。
(伊佐尚記、大嶺雅俊)