那覇市の50代の夫妻が、生後2カ月から5年以上養育していた児童の里親委託を児童相談所から解除された問題を巡り、沖縄県の玉城デニー知事は10日の定例記者会見で、「子どもや里親の声を聞くアドボカシーの観点を重視する仕組みや、制度の導入も検討する必要があると考えている」と述べた。
子どものアドボカシーは、子どもの意見を聞き、権利を擁護するもの。今回の里親委託解除の問題を受け、県内の里親有志が9日に玉城知事に提出した要請文でも、「子どものアドボカシーを保障する場がない」と指摘。包括的に機能する仕組みが必要だと求めていた。
玉城知事は10日の会見で、児童が実親と対面で面会したことや、元里親とオンラインで交流したことも明らかにし「児童のことを第1に考え、支える新たな体制をつくっていく。里親、実親と協力して児童を支える協力関係の再構築を図っていく」と強調した。
県は4月、里親委託解除問題を検証するため外部有識者3人による調査委員会を県特命推進課内に設置した。10日夕方には、委員会による中間報告が予定されている。