黒木の剪定活動、ボランティアで16年 楽しみながら街を明るく かでな緑樹会 沖縄・嘉手納町


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 【嘉手納】嘉手納町の道路沿いや公共施設の黒木の剪定(せんてい)をボランティアで続けてきた「かでな緑樹会」は今年で結成16年を迎えた。町木の黒木を剪定することで、町内の景観を美しく保ち、街路樹による視界不良を改善することで交通安全にも寄与してきた。現在でも、月1回の剪定ボランティアを継続しており、きれいな街づくりに貢献している。

 約25人のメンバーで構成する同会は毎月第3日曜日に集まり、町内の小中学校や嘉手納署、町道沿いの黒木を剪定している。上地安重会長(78)は「毎回、剪定するたびに達成感や爽快感がある。メンバーはやりがいを持って活動を楽しんでいる」と話す。

 同会発足のきっかけは、2005年に開かれた町主催の公民館講座・園芸教室だった。町民で1級造園士の資格を持つ知念勇一さんが講師を務め、約50人が受講した。講座修了後「このまま解散するのはもったいない。腕を磨くためにも、黒木の剪定を続けよう」と知念さんが提案し、06年に緑樹会が発足した。

 初代会長を務めたのは渡口彦信さん(95)だった。渡口さんはメンバーを自宅に招きバーベキューを開催するなどして、会の絆を深めた。「みんなボランティアで頑張っていたから、少しでも力になりたかった」と振り返る。

 町教育委員長で、会発足時からメンバーとして活動してきた比嘉秀勝さん(75)は「これまで会が続いたのは、渡口さんがメンバーをまとめてくれたからだ。活動中は町民から感謝を述べられるなど、地域の理解も深まっている」と語った。

 会は4月、嘉手納署の敷地内の黒木を剪定した。保里武志副署長は「剪定で構内の雰囲気も良くなり、署員も喜んでいる。地域貢献のボランティアに対し感謝している」と話した。
 (友寄開)

黒木を剪定するかでな緑樹会のメンバーら=4月、嘉手納署(提供)
結成当時の様子を語る初代会長の渡口彦信さん=5月27日、嘉手納町水釜