【ちむどんどん第50話】イカスミブームはどこから 朝ドラ「ちむどんどん」キーワード集【ネタバレ注意】


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イカ墨汁

 ちむどんどん第50話では、暢子(黒島結菜)が、花形ポジション「ストーブ前」の料理担当を決める試験に挑戦します。暢子は、妹・歌子(上白石萌歌)の大好物「イカ墨ジューシー」をヒントにして、「イカ墨パスタ」を作り、合格しました。作中でも「うまい!」と同僚をうならせた、イカ墨を使った調理法は沖縄独特の料理文化の一つです。

 イカは沖縄で、昔から整腸剤の効用があるとされ、なによりおいしいので好まれてきました。

 1989年12月琉球新報掲載の「沖縄の食文化を考える」シンポジウムの記事によると、「16世紀の大航海時代のローマ・カトリックの布教の地とイカ墨料理の地域が一致」したことや「バチカン図書館の文献には、2千年も前にイカ墨料理があった」こと、「メキシコ、南米、フィリピン、長崎にもイカ墨料理がある」ことなどが、記載されています。世界中に「イカ墨料理文化圏」があることが伺えます。

 「イタリア料理でイカスミパスタって普通」と思われるかもしれませんが、1970年代、イカ墨は日本本土ではまだ一般的ではなかったようです。本土からイカ墨が注目されるようになったのは1992年3月末、青森県産業技術開発センターと弘前大医学部などによる「イカ墨に抗がん物質が多く含まれる」とする発表がきっかけだったとされています。1994年11月19日付け琉球新報では、「好調 イカスミまん」として井村屋製菓が9月に発売した「イカスミまん」が2カ月で来年3月までの売り上げ目標を達成したことが報じられるなど、ブーム 到来が見て取れます。

 ちなみにイカ墨汁は、かつおだしや豚だしでイカを炊き、味噌などで味を調えて、最後に独特の甘みやコクを持つイカ墨を入れて完成です。


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