戦時遭難船舶遺族会は19日、那覇市若狭の戦時遭難船舶犠牲者の慰霊碑「海鳴りの像」を清掃する「お清め」を行った。同会は23日の「慰霊の日」の午後1~3時に自由参拝の場を設ける。
「海鳴りの像」は太平洋戦争下に県民らを乗せて米軍に撃沈された船舶のうち、疎開学童らを乗せた「対馬丸」を除く25隻の犠牲者を追悼している。19日の「お清め」では遺族会関係者らがブラシやタオルを使い、像や犠牲者の名前が刻まれた刻銘版などの汚れを落とした。
大城敬人事務局長によると、23日の自由参拝では今回新たに刻銘される犠牲者の遺族関係者らが千羽鶴を奉納するという。大城氏は「離島県ゆえに多くの人が船で犠牲になった。県内全てが船と同じで逃げ場がない中、台湾有事での県民避難が議論されていない。戦時遭難船舶に学んで、県民が守られるような外交努力が必要だ」と訴えた。
(塚崎昇平)