平和の礎のそばにある「命どぅ宝」の石碑知ってる? 建立が実現するまで


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「命どぅ宝」と刻まれた石碑を前に、沖縄から世界平和の発信を訴える石原エミさん=20日、糸満市摩文仁の平和祈念公園

 沖縄戦の戦没者名を刻銘した「平和の礎」のそばに、「命どぅ宝」と刻まれた石碑がある。行政主導ではなく、民間人の石原エミさん(80)=浦添市=が奔走し、2013年6月、設置にこぎ着けた石碑だ。ロシアのウクライナ侵攻など世界平和が脅かされている現状に石原さんは「今こそ沖縄の黄金言葉(くがにくとぅば)を世界に発信したい」と訴える。

 平和の礎のそばに石碑を建てたいと思い立った石原さんは、当初、県に石碑の設置を願い出たが断られた。諦めきれず、県内の市町村や議会を訪ねて回り、平和祈念公園がある糸満市が協力してくれることになった。有識者が名を連ねた「命どぅ宝石碑建立実行委員会」も設立し、民間主導の石碑建立が実現した。

 石碑の裏には英語、ハングル、中国語で「命こそ究極の宝」などと刻んだ。石原さんは「世界平和を実現するため、核兵器の廃絶にも取り組む」と決意を新たにした。
 (稲福政俊)