泡盛黒麹菌「家系図」作成 バイオジェット×酒類総合研究所 遺伝子解析、製造活用に期待


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バイオジェットの塚原正俊さん=23日、沖縄市の琉球新報中部支社

 【うるま】うるま市のバイオジェット(塚原正俊CEO)などが、泡盛の製造に欠かせない黒麹菌をゲノム解析し、株を詳細に分類した。大きく分けて3グループあり、またグループ内の株にも違いがあることを明らかにした。今後、株の選択によって泡盛の風味や製造速度の向上などに活用できる可能性があるとしている。研究成果は、大学の研究者らでつくる「糸状菌遺伝子研究会」(会長・五味勝也東北大教授)の本年度の技術賞を受賞した。

 バイオジェットの塚原氏と、独立行政法人酒類総合研究所の山田修氏の共同研究。2000年ごろまでは黒麹菌と黒カビの違いも明確でなかったが、主に山田氏がこの判別に取り組んだ。さらに、主に塚原氏が沖縄の泡盛製造に使われている黒麹菌を詳細に分析し、「A」「SK」「OLD」の3グループに分類した。ゲノム解析作業を簡素化する方法が高く評価され、技術賞を受賞した。

 塚原氏によると、現在の泡盛製造は「A」と「SK」に属する株を1つずつ混ぜる形で行われているが、この事実を科学的に確認できた。また各グループ内での株には遺伝子情報の近さの度合いがあり、これを「家系図」化した。

 塚原氏は、今後は同じグループ内にある異なる株を利用した場合、あるいは現在はほとんど活用されていない「OLD」グループの株を使った場合など、株の選択が泡盛製造にどのような影響を及ぼすかを効率的に試せるようになるとし、「産業で使える基礎研究となる」と話した。 (島袋良太)