「観光回復のきっかけに」クルーズ船寄港再開に、沖縄県内から期待の声


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市観光協会職員やミス宮古島の歓迎を受けながらバスに乗り込む「ぱしふぃっくびいなす」の乗客ら=29日、宮古島市平良

 【宮古島】日本クルーズ客船の「ぱしふぃっくびいなす」が29日、沖縄県宮古島市の平良港に入港した。県内へのクルーズ船の約2年4カ月ぶりの寄港に、基幹産業である観光業の回復を期待する声が上がった。

 26日に神戸港(兵庫県)を出発した乗客は、バスやタクシーを利用して市内観光を楽しみ、午後6時に沖縄本島に向けて平良港を出港した。30日には本部港に寄港する予定。乗客を出迎えた県や市の関係者らは「観光や経済が回復するきっかけになってほしい」と声をそろえた。

 寄港再開へ向けて、日本クルーズ客船と県、市などはコロナ対策の協議を重ねてきた。出発前に乗客全員がPCR検査で陰性が確認されていることや、乗船中も抗原検査やPCR検査を実施し、下船時にはサーモグラフィーで体温を確認し異常があれば船内に戻るなどの体制を確立した。港湾や医療、輸送、観光など関係地元機関との合意の下で寄港が実現した。

 日本クルーズ客船の松田義則海務部次長は「やっと宮古島、沖縄への寄港が実現できてうれしく思う。今後も続けていきたい」と話した。

 ぱしふぃっくびいなすは全長約183メートル、総トン数約2万6500トン、客室数230室。今回の乗船者数は178人で、神戸港(兵庫県)発着のコースで26日~7月3日の日程。

 (佐野真慈)