保守革新、それぞれの「負けなし」地盤はどこ?選挙戦を半世紀分振り返ってみた<ありんくりん参院選>


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 日本復帰に伴う1970年の特別選挙以降、県内では補選を含めて今回が21回目となる参院選。沖縄選挙区を市町村別にみると、一時的な「風」といった情勢に左右されず、保守、革新がそれぞれ根強い支持を集める地域があることが分かる。保守は本島北部や離島、革新は中部で一度も負けたことがない自治体があり、強固な地盤となっている。

 過去20回の選挙結果から、市町村別に最多得票の候補を抽出し、保守(自民)と革新(オール沖縄など)で色分けすると、各地域の特徴が鮮明になった。革新が分裂して複数候補が出馬した82年補選、95年、2001年、10年は得票を合算して比べた。

 保守と革新の最多得票が、20回を通じて一度も崩れていない地域がある。保守は国頭、東、伊江、渡名喜、北大東、伊平屋、伊是名の7村だ。これら離島や農山村地域は自民の得票が常に革新候補より多く、強固な支持層が形成されている。宮古島市への合併前の下地町、伊良部町、上野村と、南城市への合併前の知念村でも常に保守系候補の得票が革新を上回っていた。一方、革新は大宜味村、読谷村、北谷町、北中城村、中城村、西原町の6町村で常に最多得票となっている。米軍基地が多く存在する本島中部が革新地盤と指摘されるゆえんだ。

 大票田の那覇市は革新が優位に選挙戦を進め、候補者当選につなげてきたことがうかがえる。近年は革新の流れをくむ「オール沖縄」勢力の連勝が続くが、人口規模の大きい11市のうち石垣市や宮古島市では自民の得票が多い。

 一方、この半世紀で名護市や糸満市では勝敗が拮抗(きっこう)している。これらの地域は、米大統領選にならえば2大勢力の勝敗が入れ替わりやすい沖縄版の「スイングステート」といえそうだ。(’22参院選取材班)

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