萩原聖人さん「映画は昔の話ではない」 沖縄戦描いた「島守の塔」東京で試写会


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映画「島守の塔」の完成披露試写会で舞台あいさつした出演者ら=30日、都内

 【東京】沖縄戦直前に着任した島田叡県知事と、荒井退造県警察部長らを題材に沖縄戦を描く映画「島守の塔」の完成披露試写会が30日、都内のニッショーホールで行われた。島田叡役の萩原聖人さんは「戦争を起こすのは人間。映画は昔の話ではない。これからを考える人たちに見てもらいたい」と話した。

 コロナ禍の影響もあり、映画の製作は1年8カ月中断した。そのまま中断される懸念もあったが、多くの支援で完成した経緯に触れた監督の五十嵐匠さんは「奇跡的な映画だと思う」と述べ、鑑賞を呼び掛けた。

 荒井退造役の村上淳さんは「先人たちが渡し続けてくれている平和のたすきやバトンを、観客の皆さんに渡せたらといいと思う」と映画に込めた思いを語った。

 舞台あいさつで比嘉凛役の吉岡里帆さんは「無事に多くの方の力添えで映画が完成し感無量」と話し、現代の比嘉凛役の香川京子さんは「この作品を見て戦争の悲惨さ、そしてこれまで平和でいられた幸せを考えてもらえたら」と話した。
 (斎藤学)