沖縄の子どもの貧困率は全国の2倍とされる。新型コロナウイルス禍では低所得層の生活が一層厳しさを増していることも指摘され、対策は急務となっている。医療や福祉、人材育成を含めて、参院選沖縄選挙区に立候補している無所属現職の伊波洋一氏(70)と自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=の政策を点検する。
伊波氏は子の貧困は親の貧困であるとして、根本的な問題解決のために、親の就労、生活を支える包括的支援に取り組むと公約に掲げた。若年妊産婦への支援、ヤングケアラーの実態把握のほか、虐待防止も課題であると主張。支援に当たっては数値目標を設定して対策の実効性を高めるとしている。
古謝氏は子の貧困を連鎖させないよう、幼少期から成人に至るまでの保育・教育支援、キャリア・就労支援に取り組むと強調する。生活困窮者やひとり親家庭などの支援強化、子ども食堂などの居場所づくりの継続的・安定的な運営支援を掲げる。ヤングケアラーの実態把握や適切支援にも取り組む。
両氏は人材育成に関しても公約に明記した。
伊波氏は、国民に対し保障される生活の最低限度を示す「ナショナルミニマム」としての教育への投資を進めるとする。給付型奨学金の拡充や返済減免、高等教育無償化によって教育格差をなくすことや、海外留学や職業訓練を通じた高度人材の育成などを挙げる。
古謝氏は公約で「これからの沖縄の未来を担う人材育成」を掲げた。沖縄の環境を生かした英語教育やグローバル教育の推進、奨学金返済に苦しむ若者支援、どんな世代でも新たな挑戦ができるようリカレント教育(学び直し)や資格取得を後押しする。
医療政策に関しては、両氏が県内大学への薬学部設置を公約に掲げた。このほか、伊波氏は医療従事者らの処遇改善や医療の地域偏在、診療科偏在の解消などを、古謝氏は健康長寿世界一の復活、北部基幹病院の早期整備の支援などを盛り込んでいる。
(’22参院選取材班)
各候補の政策全文はこちらからhttps://sangiin-okinawa2022.glideapp.io/
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