気候変動や貧困など世界各国が協力して解決しようと、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)。17の目標は、ジェンダー平等や環境保全、文化継承などを掲げる。今参院選で沖縄選挙区に立候補した無所属現職の伊波洋一氏(70)と自民新人の古謝玄太氏(38)=公明推薦=は、ともに選択的夫婦別姓制度の導入に賛成し、性的少数者(LGBTQ)にとっても住みやすい社会作りの推進を主張するが、その方策は異なる。
伊波氏は同性婚制度の導入を支持する。独自にパートナーシップ制度を設けて同性のパートナーを認める自治体もある半面、法的な保障はなく、地域格差があると指摘する。憲法が保障する法の下の平等の観点から同性婚制度の導入を訴える。「性的指向や性自認を理由とした差別は許されない」と訴え、性的少数者への理解増進を図る法案にも賛同する。
意思決定の場に女性が参画しやすい環境を整備するため、国会議員の一定数が女性になるよう、クオータ制の導入も推進したい考えだ。
古謝氏は同性婚制度について、まずは憲法解釈や国際的な動向を含めて議論を深める必要があると主張する。「LGBTQが住みやすい社会の実現に取り組みたい」と訴える一方、性的少数者への理解増進を図る法制度の必要性については、法案で定める内容について議論の必要があると指摘する。
クオータ制度の導入には、女性の割合を義務的に決めることは必要ないと主張し、反対の立場を示す。その一方で、ライフステージに合わせて女性が望む活躍の場の実現を促進したいと訴える。 両氏は、重要政策の一つに据える経済振興を自然環境の保全と両立させ、持続可能な発展を目指すことを打ち出す。
伊波氏は外来動植物の対策に取り組み、沖縄らしい景観の回復を図ると訴える。PFAS(有機フッ素化合物)汚染水や海岸漂着ゴミ問題の解決を掲げる。
古謝氏は自然環境を守る持続可能な観光地として、沖縄を世界に発信することを掲げる。国立自然史博物館(仮)の誘致や空手の振興に取り組むとしている。
このほか、両氏は首里城再建に向けて国や県と協力する姿勢を示している。
(’22参院選取材班)
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