「沖縄戦や基地問題、説明できる?」県内在住の大学生が自ら学び直して感じた疑問


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自主的に沖縄の歴史を学び直している本村杏珠さん=6月13日、沖縄大学

 「ずっと沖縄にいるのに、自信を持って沖縄を知っていると言えない」。沖縄大学3年の本村杏珠さん(20)=浦添市=は約2年前、SNSのライブ配信で県外の同世代と交流したときに、沖縄戦のことがほとんど知られていないことに気付いた。後日県内の若者にSNSでアンケートを取ると、慰霊の日と終戦記念日の違いが分からないなど、県外とあまり差はなかった。「あり得ない」と驚いたが「自分は沖縄戦や今に続く基地問題を説明できるのか」と振り返ると、自信を持てなかった。

 危機感に駆られて学び直した。インターネットの情報と本の記述が違っていて、どれが事実か混乱するなど、独学は思ったより大変だった。

 思えば小中高校で、沖縄についてじっくり学んだ記憶がない。「慰霊の日の前にDVDを見るぐらいだった。体験者の話も聞いたが、事前の知識がなさすぎて、聞いてもよく分からなかった」。学校教育の在り方も改善が必要だと考えるようになった。中学生の弟の社会科の教科書を読むと「集団自決」(強制集団死)の説明で日本軍の強制性に触れておらず、教科書の記述が怖くもなった。

 「沖縄にいる私たちが沖縄を学ばないと、歴史は継承されない。学べない現状にもっと疑問を持つべきだ」と指摘した。


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