住民に不安「またか」「これまでもうやむやに」 米軍演習場からの事件・事故に翻弄 金武町伊芸区の民家に「銃弾」


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銃弾らしき物が見つかった現場付近を歩く子どもたち=7日午後6時57分、金武町伊芸(ジャン松元撮影)

 【金武】金武町伊芸の民家で銃弾のような物が見つかった件で7日、米軍演習場からの流れ弾や照明弾落下などの事故に繰り返し翻弄されてきた伊芸区民からは「またか」「恐ろしい」と不安や憤りの声が上がった。

 現場近くに住む46歳の女性は「現場近くの道は子どもたちも通る。米軍の流れ弾だとすれば恐ろしい」と声を震わせた。「昼も夜も米軍演習があり非常にうるさい。眠れないこともある」と指摘した。

 周辺では7日、米軍の実弾演習の音が朝から響いた。現場の道向かいに住む60代男性は「午前中から『パン、パン』と射撃音がした。約30年前は自宅の水タンクに弾が当たり穴が開いたこともある。またかという感じ。怒りを通り越しあきれる」とため息をついた。

 75歳の男性は「部隊の入れ替えがあると不慣れな隊員が集落方向に弾を撃つことがあり、目標を外れて流れてくると聞いた。あってはならないことだ。集落近くの演習場は撤去してほしい」と求めた。

 近所の60代男性は「20代の頃は夜に砲弾の音がすると飛び起きていたが、慣れてしまった。基地は迷惑をかけることが多い。いらないと言いたいが、日本が弱すぎる。伊芸では20年くらい前も流弾騒ぎがあり、うやむやになった」とあきれた様子で語った。訓練に反対してきた82歳の男性は「集落近くに照明弾が落ちたこともあった。どんなに反対しても繰り返される」と肩を落とした。
 (岩切美穂まとめ)


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