沖縄・金武の民家に流弾か、窓破損 米軍ハンセン隣接 演習通告中 


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民家で見つかった銃弾のような物=7日、金武町伊芸区(いずれも沖縄防衛局提供)

 7日午後1時45分ごろ、沖縄県金武町伊芸区の民家の窓ガラスが割れ、付近に「銃弾のような物」があるとの通報が金武町役場にあった。県警が確認したところ、民家の勝手口の窓ガラス1枚が割れ、付近に銃弾のような物が落ちていた。発見現場は米軍キャンプ・ハンセンに隣接し、同施設のレンジ4から約1キロの住宅。周辺住民によると、7日は午前中から銃撃訓練の音が響いていた。県警は器物損壊容疑などを視野に米軍からの流弾など事件、事故のあらゆる可能性を含め捜査を進める。

銃弾のようなものが見つかった民家で割れたガラス。二重ガラスのうち、外側のみが割れていたという=7日、金武町伊芸区(沖縄防衛局提供)

 県警捜査1課によると、6日午後2時~3時ごろ、家主の男性が「ガラスが割れるような音」を聞いた。同日午後10時過ぎに男性が網戸の破損と勝手口ドアのガラスがこぶし大の大きさに割れ落ちているのを確認した。ドアの下の縁には銃弾のような物が落ちていた。県警は8日にも、科学捜査研究所に送り詳細な鑑定を行うとともに現場で実況見分などを実施する方針だ。

 沖縄防衛局が県や金武町などに通知した「演習通報」によると、米軍は4~10日の間、キャンプ・ハンセン内で実弾射撃を実施すると通告していた。伊芸区に近いレンジ4施設では「一般演習」を予定している。在沖米海兵隊は7日、本紙取材に「事案は認識しているが、潜在的な証拠と十分な情報にアクセスできないため、現時点でコメントはできない」とした。一方で「地元と連絡を取り、あらゆる調査に全面的に協力する」と強調した。

 沖縄防衛局は米側に確認した情報として、現場に近いレンジ51、レンジ5で「銃弾を用いた射撃訓練は行っていない」と説明している。(池田哲平まとめ)

銃弾のような物が見つかった民家を調べる県警関係者ら=7日午後5時35分ごろ、金武町伊芸(長嶺晃太朗撮影)

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