沖縄県は12日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多となる3436人になったと発表した。石垣市では過去最多の327人を超え、病床使用率は81・8%に上るなど本島以上に医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している。県の宮里義久感染対策統括監は現時点でまん延防止等重点措置などは検討せず「基本的な感染対策の徹底や、高齢者へのワクチン4回目接種に取り組みたい」と述べた。
感染急拡大の要因として県は、オミクロン株の派生型「BA・5」への置き換わりと、各地でイベントなどが再開したことが要因と説明した。ワクチン接種から時間がたち、免疫効果が下がっていることも背景にあるという。
年代別の感染者では10代637人、10歳未満602人で19歳以下が全体の36%を占める。30代526人、40代518人と子育て世帯で感染が広がる。20代は387人と若年層では低いことについて、宮里統括監は「若い人の検査数が減っている訳ではない」と述べた。
入院患者は366人で県内の病床使用率は56・9%と上昇が続く。本島は61・2%、宮古は6・1%だった。県病院事業局によると、県立八重山病院で計6人が感染するクラスター(感染者集団)が発生しており、病床が逼迫しているという。
直近1週間の新規感染者数の前週比は圏域別で八重山2・30倍、本島1・46倍、宮古1・54倍で、3圏域ともに17日以上、前週比1倍を上回っている。宮里統括監は今後の対策について、本島や八重山圏域に発出した「コロナ感染拡大警報の効果を見たい」と述べるにとどめた。
県は同日、70~90代の男女計4人の死亡も発表した。米軍関係者の感染は31人だった。
(嘉陽拓也)