東濱、池原 五輪予選に闘志 女子ハンド、愛知で開幕


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スピードを生かしたプレーで海外勢にどう挑むか注目の池原綾香=2014年3月、県総合運動公園体育館
経験値の高さや精神面の強さに期待が懸かる東濱裕子=2014年3月、県総合運動公園体育館

 リオデジャネイロ五輪の出場権を争うハンドボールの女子アジア予選は20~25日、名古屋市の愛知県体育館で開催される。地元開催の大声援を追い風に、76年モントリオール大会以来40年ぶりの五輪を目指す日本代表「おりひめジャパン」。県出身の東濱(ありはま)裕子(陽明高―オムロン)と池原綾香(那覇西高―日体大―三重バイオレットアイリス)も躍進の一翼を担おうと闘志を燃やす。

 東濱は北京、ロンドンに続き自身3度目の予選出場となる。ワールドカップの活躍で注目を浴びるラグビー日本代表に「勇気をもらった。日本に風が来ているのであやかりたい」と笑う。チーム最長身の178センチで、エースポジションのLB(左45度)。この4年間で体重を約5キロ増やし、当たり負けしない体づくりやシュートフォームの改善に取り組んできた。国際試合出場129試合を誇る31歳のベテランは「苦しい局面で経験を生かし、若い選手たちを引っ張っていくようにしたい」と頼もしい。
 池原は25歳のRW(右サイド)で、五輪予選は初挑戦。昨年秋のアジア大会は直前で代表から外れた。「悔しくて、負けたくないという気持ちが強くなった」と今回のアジア予選へ向けた強化合宿では攻撃面で思い切りのよさをアピールしてきた。「もう一度与えられたチャンス。この予選に懸ける思いは強い」と言う。東濱とは対照的に身長はチームで最も低い157センチ。相手の隙を突くスピードや緩急のあるシュートに磨きをかけ、「プレッシャーや緊張はあると思うけど、それを楽しみに変えて試合へ臨みたい」と期する。
 アジア予選にはロンドン五輪4位の韓国、中国、カザフスタン、ウズベキスタンも出場。1位のみが五輪切符を獲得し、2位は世界最終予戦に回る。5年後の東京五輪は開催国枠で出場が内定しているが、その前のリオを自力でつかめるかどうかは大きい。東濱は「リオを決めて(東京に)出るのと、ただ出るのは違う。今後のハンド界のためにも先輩たちのためにも必ず勝ち取りたい」と言う。沖縄の友人から激励の手紙や贈り物が届くという池原は「たくさんの人に応援されて今の私がいる。その思いを大事に最高のプレーを発揮したい」。悲願の五輪へ。重い扉をこじ開ける戦いがいざ、幕を開ける。