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海底ケーブルで離島生活を豊かに 学びの選択肢も増<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 なかなか外出できない日々が続きますが、今年も海の日がやってきます。

 沖縄県の面積は約2281平方キロメートルと全国で4番目に小さい県ですが、海域は東西約1千キロ、南北約400キロに及びます。本州、四国、九州を合わせた広さの半分にもなり、豊かな海洋資源があります。

 その海の下に860キロメートルの海底ケーブルがあることをご存じでしょうか。沖縄本島から多良間島、与那国島、波照間島を結ぶ先島ルートと、沖縄本島から粟国島、久米島、座間味島、渡嘉敷島を結ぶ南部離島ルートにわたる海底光ケーブルが2016年10月に完成しました。さらに今年1月には複数の通信事業社が「久米島~宮古島」と「沖縄本島~石垣島」の2区間、距離にして1010キロを共同で整備することが発表されました。

 これらの成果は県民の実感としても現れており、県民意識調査の離島振興政策に関する評価では「インターネットの使いやすさ」が上位5項目に入り、10代では7割が改善されたと答えています。

 通信環境が整備されることで、学びの選択肢も増えています。「地域みらい留学」は都道府県の枠を超えて、地域の公立高校への進学や国内単年留学を行う取り組みです。高校進学の選択肢を広げると同時に過疎地域の高齢化、人口減少問題の解決を目的とし、全国各地の参加高校説明会はオンラインで行われています。離島でもネットを利用することで教育機会や進路への選択肢が広がることが期待されます。

 普段は目にすることがない光ケーブルも貴重な海の資源の一つといえるのではないでしょうか。

(沖縄銀行高橋支店支店長 當間京子)