なぜ沖縄は感染レベルが高いのか 厚労省アドバイザリーボード脇田氏の見解は?


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国際通りを行き交う人=7月、沖縄県那覇市

 【東京】厚生労働省に新型コロナウイルス対策を助言するアドバイザリーボードの脇田隆字座長は21日会議後の会見で、沖縄の感染状況について「他の地域よりも高い感染レベルが継続している」と指摘した。

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 全国的に感染が広がっているとの認識を示した上で「強い行動制限を検討する時期にあるとの意見があった」とし、緊急事態宣言など、より強い対策の必要性について議論があったとした。

 会議で示された資料によると、20日までの1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は約1656人と全国最多。年代別では30代以下の若年層での感染拡大が目立ち、厚労省基準で病床使用率が約7割、重症病床使用率は約3割となった。感染状況の悪化と医療提供体制の逼迫ぶりが顕著となった。

 会議後に取材に応じた脇田氏は「救急医療が急激に逼迫し、検査目的の受診者の増加も目立つ」などとし、限られた医療資源が適切に活用されていない可能性があるとした。今後は「感染リスクの高いイベントに対しては中止・延期を勧告する必要がある」とした。

 沖縄が感染者数の増加傾向が他の地域に比べて高い要因について「人口構成がかなり違う」と指摘し、若年層の人口が多い点を挙げた。「大家族が多く、高齢者と若い人との交流が非常に多いという点も挙げられる」とも述べ、オミクロン株の拡大で若年層に感染が広がった影響があるとの認識を示した。加えて、ワクチン接種率の低さも指摘した。

 (安里洋輔)

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