沖縄県系人や移住者ら50人の夢を一冊の本に 9月出版、ボリビアで撮影が行われる


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昨年出版された夢の本「WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs」を手に持つ安里さん

 沖縄の日本復帰50年を記念して、ウチナーンチュ50人が書き下ろした夢の本「We have a dream うちなーんちゅの夢」が9月初旬に全国出版される。本書では沖縄を愛し、沖縄を未来へとつなぐ沖縄出身者、県外からの移住者、海外のウチナーンチュなど、50人の夢を紹介している。本書の企画に携わったアンカーリングジャパン(那覇市)の中村圭一郎代表がボリビアを訪れ、6月5日と6日にオキナワ移住地で撮影が行われた。

 夢を描いたウチナーンチュの一人で、ボリビア在住でうるま市出身の安里三奈美さんは、沖縄県系の若者をつなぐネットワークを構築し、世界各地で「世界若者ウチナーンチュ大会」を実施した。現在の一般社団法人世界若者ウチナーンチュ連合会の設立者でもある。結婚を機に2018年にボリビアに移住した。

 描く夢は「ボリビアで沖縄の伝統芸能や文化が受け継がれ、沖縄県と人的交流や文化交流、経済交流が活発的に行われている未来」だ。2人の子どもを育てる傍ら、沖縄県への施策提言やライター、コーディネーター、沖縄文化指導、家系図制作サポート、ボリビア琉球舞踊団代表などを務める。ボリビアと沖縄をつなぐ架け橋として活動している。

 「夢の本」は、いろは出版(京都府、木村行伸代表)が日本ドリームプロジェクトを立ち上げ、06年発売の「1歳から100歳の夢」から始まった、ベストセラーの好評シリーズ。木村代表は、これまで数々の夢人を世に届けてきたドリームメーカーとして知られる。昨年出版の第2弾の書籍「WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs」では、世界各国の持続可能な開発や問題に取り組む若者たちの行動や、彼らが描く夢を集めた。

 沖縄版の製作は、自身も夢を書いた経験がある中村代表が、夢の本に感銘を受けて提案して実現した。中村代表は「中学生をはじめ若い読者が、ワクワクドキドキしながら未来に向かって、自らも夢を描きたくなるような本にしたい」と抱負を語る。

 本書は県内の中学生全生徒に贈呈する予定。本書と一緒に、自分の夢について生徒が考える機会をつくり、夢を描くサポートをする流れもつくる。読者が自分の理想の未来について考えるためのガイドページを通して、手にとった人たちから夢を集める第二弾のアクションも計画中だ。