一致した二つの家系図 沖縄県系のハリスさんが親族と初対面 自分のルーツ探しだせて「夢のよう」


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笑顔で対面する宮城敏夫さん(左)とマシュー・タマシロ・ハリスさん=30日、那覇市泉崎の県立図書館

 沖縄県系4世で英語講師のマシュー・タマシロ・ハリスさん(28)=茨城県在住=が30日、沖縄に住む親戚の宮城敏夫さん(83)と対面を果たした。ハリスさんは自分のルーツを探ろうと、キューバ移民の県系1世で曾祖父の玉城徳蔵さん(1898~1970年)の親戚を探していた。ハリスさんは「夢のような気持ちだ。やっと会うことができてうれしい」と喜んだ。

 宮城さんは徳蔵さんのおいにあたり、本部町瀬底出身。現在は那覇市首里で琉球古典音楽の研究所を開いている。宮城さんの母・カマドさんが徳蔵さんら6人きようだいの長女となる。宮城さんは徳蔵さんについて、移民として海外にいることは母から聞いて知っていたが、直接会ったことがない。

 ハリスさんが持っている徳蔵さんの写真を机に並べて見ながら思いを寄せた。宮城さんは、自分でまとめた家系図をハリスさんに見せながら、家族について知っていることを説明した。午前に那覇市泉崎の県立図書館で対面後、午後には徳蔵さんの生家を訪ねた。

 今回の対面は、県立図書館の調査協力を得たほか、今年4月に掲載された手がかりを求める新聞記事を見た瀬底出身の大城良子さん(79)が、瀬底出身者を中心に40~50人に電話して情報を探り、宮城さんにたどり着いた。

 県立図書館がハリスさんへの聞き取りなどから作製した家系図と、宮城さんが持っていた家系図が一致し、親戚だと判明した。

 宮城さんは「ハリスさんにルーツを探す気持ちがあり、こういう機会に出会えることができて良かった。ありがとう」と感謝した。

(中村優希)