中部経済「回復傾向に」 沖縄公庫が地域懇談会


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中部地区の経済振興について意見交換する代表者ら=5日、宜野湾市のラグナガーデンホテル

 【中部】沖縄振興開発金融公庫(川上好久理事長)は5日、宜野湾市のラグナガーデンホテルで、本島中部地域の経済代表者らと「中部経済チバリヨー懇談会」を開いた。代表者らはコロナ禍の各業界・地域の景況や、中部振興について意見交換をした。事業者からは売上が回復傾向にある一方で供給体制が追いついていないことや、世界的な生産資材の高騰で資金繰りが厳しい状況にあることなどが報告された。

 店舗開発を手掛けるオーエスディー(北谷町)の久高唯明社長は「資材の高騰と納期の遅れで工期が長引き、資金の流れが滞る。増収減益が顕著に出ている」と話す。一方で人材育成やブランディングの再構築など、コロナをきっかけとした新たな取り組みも紹介した。

 ぬちまーす(うるま市)の高安亮取締役営業部長は、コロナ禍で「ピンチをチャンスにした」という商品開発の取り組みを紹介した。同社の観光部門の客単価は、コロナ前の同水準まで回復したというが、供給が追いついていない状況がみられることも明かした。

 川上理事長は「ポストコロナに向けて経済が動き始めている一方、回復需要に対する供給課題が見えた。事業者のもどかしさを感じる」と述べる。公庫独自の制度を有効活用した資金供給やコンサルティング機能の発揮などを通して支援していくとした。

(石井恵理菜)